ポルトガル旅行の何が危険?治安の良さの秘訣と渡航状況についても解説

ポルトガル旅行の危険性について解説

青い海と歴史ある街並み、美食とワイン、そしてフレンドリーな人々。ポルトガルは「ヨーロッパの穴場旅行先」として、ここ数年で日本人観光客からの注目も急上昇しています。リスボンやポルト、シントラ、ファロなど、魅力に溢れた都市が点在し、旅先としての満足度も非常に高い国です。

一方で、特に近年は、観光客の増加に伴って、軽犯罪やトラブルの報告もちらほら見られるようになっています。

この記事では、ポルトガル旅行で実際に注意しておくべきポイント5つを中心に、治安の良さの理由、現在の渡航情報、そして文化的な背景から見る旅の心得まで、幅広く解説していきます。

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目次

ポルトガル旅行の何が危険?5つの注意点を紹介

ポルトガル旅行の注意点

ポルトガルはヨーロッパの中でも比較的治安が良い国とされていますが、だからといって100%安心できるわけではありません。

特に大都市や観光地を訪れる際には、日本とは違った「気をつけるべきポイント」がいくつもあります。この章では、現地で実際に起こりやすい5つの危険とその回避策を丁寧に解説していきます。

大都市リスボンやポルトでは観光客狙いのスリ・置き引きは発生

まず注意すべきなのが、リスボンやポルトといった大都市でのスリや置き引きです。ヨーロッパの他の観光地と同様、人混みの中や公共交通機関、レストランのテラス席などで、気づかないうちに財布やスマホを盗まれるケースが後を絶ちません。

特に観光客は、地図を見たり写真を撮ったりと、周囲への注意が散漫になりがち。そこを狙ってくるのが、プロのスリたちです。彼らはチームで行動し、一人が話しかけて注意を引き、もう一人が後ろからバッグに手を伸ばすといった巧妙な手口を使ってきます。

バッグは体の前にかけ、財布はチャック付きの内ポケットに、そしてカフェでは荷物を椅子の背にかけず、必ず膝の上や自分の視界に入る場所に置くなど、ちょっとした注意が大きなリスク回避につながります。

夜間の公園・裏通りなどでは酔客や薬物関連のトラブルも

公園

日中は穏やかで美しい街並みが魅力のポルトガルですが、夜になると空気が一変するエリアも存在します。特にリスボンのアルファマ地区やポルトのリベイラ周辺では、夜間に酔っ払いやホームレス、薬物使用者と遭遇するリスクがあると言われています。

危険な目に遭うことは稀とはいえ、夜のひと気のない裏通りや公園、照明の少ないエリアを一人で歩くのは避けるべきです。「ちょっと雰囲気のある小路を歩いてみたい」と思う気持ちはよくわかりますが、夜間はタクシーやライドシェアの利用が賢明です。

また、ナイトライフを楽しむなら、人通りが多く明るいエリアを選び、飲酒後はグループで行動することが基本です。地元の人たちもその辺りの危機管理はしっかりしており、旅行者もそれに倣うのが無難でしょう。

路上パフォーマーや署名詐欺など、観光客を狙った巧妙な手口

ポルトガルの観光エリアでは、街角や広場で見かける大道芸人や、署名を求めてくる団体などに注意が必要です。一見すると芸術や人権支援活動のように見えますが、実は観光客を狙った詐欺であるケースもあります。

たとえば「障がい者支援の署名をお願いします」と笑顔で近づいてきて、署名をした後に「寄付金」として強引にお金を要求してくるパターン。署名用紙に個人情報を書いてしまうと、後からなりすましや悪用のリスクもゼロではありません。

また、路上パフォーマンスをしている間に仲間が観客の荷物に手を伸ばすという手口も、バルセロナやローマ同様にポルトガルでも見られます。

声をかけられても無理に応じず、「No, thank you」とはっきり断るのがポイント。人混みで荷物の位置を再確認するクセをつけておくと、被害に遭う確率はぐっと下がります。

タクシーやライドシェアでのぼったくりも一部で存在

基本的にポルトガルのタクシーや配車サービス(Uber、Boltなど)は安全性が高く信頼できますが、観光地では一部の悪質ドライバーによる「ぼったくり」や「遠回り運転」も報告されています。

特にリスボンの空港や観光客の多いホテル前では、流しのタクシーがメーターを使わずに料金を吹っかけてくるケースもあるため注意が必要です。その対策として有効なのが、

  • 配車アプリを使って事前に料金を確認する
  • 正規タクシーには「TÁXI」と表示があり、車体にライセンス番号があるかをチェックする
  • 乗車時に「メーターでお願いします(メトロで)」と伝える

また、配車アプリのドライバー評価やレビューを見ることで、事前に不安要素を減らすことも可能です。日本語対応のアプリが増えてきているため、初めての人でも比較的使いやすい環境が整っています。

海岸リゾートでは観光シーズン中の混雑に伴う盗難が増加

ポルトガル海辺

ポルトガルは海が非常に美しく、アルガルヴェ地方やカスカイス、ナザレなどのリゾート地は、夏場に多くの旅行者で賑わいます。しかし、こうした観光シーズン中は、海水浴や日光浴を楽しむ人々を狙った盗難も発生しやすくなります。

特に注意したいのは、ビーチで荷物を置いたまま泳ぎに行ってしまうパターン。短時間でも無人の荷物は簡単に持ち去られてしまうため、

  • 交代で泳ぐ
  • 必要最低限のものしか持ち込まない
  • 防水の貴重品ポーチを使用する

などの対策が必須です。

また、リゾート地では旅の開放感から財布やスマホの管理が甘くなりがち。カフェでテーブルにスマホを置いたまま席を立つ行為も危険です。どんなにのんびりした雰囲気でも、最低限の警戒心を持ち続けることが、安全な旅の鍵となります。

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ポルトガルはヨーロッパの中でも治安が良いとされる理由

ポルトガル治安

ポルトガルは観光客が訪れやすい国として高く評価されていますが、特に「治安が良い」という点は、実際に訪れた旅行者の声や国際的なランキングにも裏付けられています。

では、なぜポルトガルはヨーロッパの中でも治安が良い国とされているのでしょうか?その背景にある社会的・文化的な要因を見ていきましょう。

歴史的に移民・多文化共生が進んだ社会構造

ポルトガルは大航海時代を起点に、さまざまな国や文化と接点を持ちながら発展してきた国です。そのため、国内にはアフリカ、ブラジル、中東、アジア圏の移民が古くから共存しており、異なる文化への理解や寛容性が高い社会構造が築かれています。

この多様性の受け入れ体制が、移民トラブルや人種差別を抑え、都市の安定に寄与している要因のひとつです。他国では移民を背景とした社会問題が治安悪化に繋がる例も見られますが、ポルトガルではそうした対立が比較的少ないのが特徴です。

「多様性を尊重する」ことが当たり前に根付いているからこそ、観光客にとっても安心して過ごせる環境が整っているのです。

強い宗教観と地域社会のつながりがトラブル抑止につながっている

ポルトガルではカトリックの信仰が深く、人々の生活の中に「道徳観」や「良心に基づく行動」が自然と組み込まれています。
この宗教観が地域社会とのつながりを生み出し、「困っている人を助ける」「悪事を見過ごさない」といった文化的な行動基準を支えています。

たとえば、街中で迷っている観光客に声をかけてくれる人が多いのも、単なる親切心だけでなく、「困っている人に手を差し伸べるのは当然」という考えが根底にあるからです。

また、ポルトガル人は家族や近所付き合いを大切にする傾向が強く、日常的に地域での目配りが効いているため、軽犯罪が発生しにくい環境が保たれているともいえます。

警察官の巡回が日常的に行われており、即応性が高い

ポルトガルの警察は、観光地や人の集まる場所では制服姿のパトロールを日常的に行っており、存在感が高いです。こうした“目に見える治安維持”が犯罪抑止につながり、旅行者にとっても安心感を与えてくれます。

また、トラブルが発生した際の対応も比較的スムーズで、英語が通じる警官も多く、外国人に対する扱いも丁寧だという評価が広がっています。

ポルトガル政府も観光業を国の経済の柱として捉えており、観光客が安心して訪れられる環境整備に力を入れていることも大きな要因です。

「ポルトガル 渡航禁止」は嘘!現在の渡航状況

飛行機

「ポルトガルに行っても大丈夫なの?」「最近ヨーロッパが不安定だと聞くけど…」といった声を聞くことがありますが、2025年現在、日本人がポルトガルに渡航するうえで“禁止”や“制限”といった措置は一切ありません。

むしろ、ポルトガルは日本人旅行者を歓迎する空気が強く、安全かつ快適な滞在ができるヨーロッパの渡航先のひとつです。この章では、最新の渡航状況とその背景について詳しく説明します。

日本からの観光客に対する入国制限は一切なし(2025年現在)

結論から言えば、現在ポルトガルに行くためにビザを取得する必要はありません。
ポルトガルはEU加盟国であり、シェンゲン協定にも参加しているため、日本のパスポート保持者は観光目的で最大90日間のビザなし滞在が可能です。

また、2022年頃まで存在していた新型コロナウイルス関連の入国制限(ワクチン証明や陰性証明の提示など)も、すべて解除済みです。2023年以降、段階的に緩和され、現在では完全に通常の入国プロセスに戻っています。

入国に際しては、以下の点だけ準備しておけばOKです:

  • 有効期限のあるパスポート(滞在期間+3か月以上の残存が望ましい)
  • 往復航空券(または第三国への出国証明)
  • 滞在先の住所・予約確認書の提示が求められることも

つまり、「ポルトガル 渡航禁止」などといった情報は誤解か、古い情報である可能性が高いです。ポルトガル旅行は今、非常に現実的かつアクセスしやすい選択肢といえるでしょう。

安全な旅にするために知っておきたい「ポルトガルの文化と国民性」

ポルトガルの国旗をもった女性の後ろ姿

ポルトガルは観光地としての魅力だけでなく、人々の温かさや文化的な寛容さも“安全で居心地のいい旅先”として評価されている大きな理由の一つです。
とはいえ、異文化に触れるうえでは、日本とは異なる価値観や習慣を理解しておくことが、トラブル回避やより深い交流につながります。

この章では、ポルトガルを旅する際に知っておきたい文化的特徴や、現地の人々の性格・行動スタイルについてお伝えします。

親しみやすく穏やかな国民性は“話しかけやすさ”にも表れている

ポルトガル人は控えめで礼儀正しいけれど、とても親切でフレンドリーな国民性です。知らない観光客に対しても、困っていれば手を差し伸べるのが自然と身に付いているため、「ちょっと道を聞きたい」「おすすめの料理を知りたい」などの問いかけにも笑顔で応じてくれる人が多いです。

また、感情表現が豊かで温かく、少し親しくなるとユーモアを交えて話すスタイルに変わることも。英語が通じる世代は特に20代〜40代を中心に増えており、観光エリアではほぼ問題なくコミュニケーションが取れます。

ただし、文化的には「急かさない・急がない」というマインドが根付いており、店員さんの対応がゆっくりしていたり、サービスに時間がかかったりすることも。それも含めて「ポルトガルの空気」として受け入れるのが旅を楽しむコツです。

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食文化と自然の豊かさが“体験型の安全旅行”を生む要素に

ポルトガル料理

ポルトガル旅行の醍醐味のひとつが、郷土料理と自然とのふれあい。バカリャウ(干し鱈料理)やサルディーニャス(イワシの塩焼き)など、地元の食材を活かした料理は観光客の胃袋をつかんで離しません。

加えて、リスボンの丘の街並み、ポルトのドウロ川沿い、南部アルガルヴェの海岸線など、歩いて楽しめるスポットが多いのもポルトガルの特徴。自然と食を中心とした旅は、夜遅くまで繁華街に出歩く必要もなく、結果的に“安全な旅”につながる構成にもなっています。

また、食事の場でも過剰な騒がしさはなく、落ち着いた空気の中で会話と料理を楽しむ文化が根付いています。ゆったりとした時間を大切にするポルトガルらしい過ごし方が、旅の中に安心感をもたらしてくれるのです。

日曜休業や昼の長いシエスタ文化で“無人エリア”に遭遇することもある

ポルトガルでは、日曜日は多くの商店やレストランが休業し、都市部であっても一気に人通りが減ることがあります。
また、地域によっては昼食後の時間帯に2〜3時間程度の休憩を取る“シエスタ文化”が残っており、その間はシャッターが閉まり、商店街が“無人”のような印象を受けることも。

この時間帯に裏通りや人目の少ない場所に入ってしまうと、万が一のトラブルに対して助けを求めにくくなるため、行動計画は昼の早めの時間帯を中心に立てることがおすすめです。

また、「人が少ない=危険」というわけではありませんが、特に夜の移動ではメイン通りを選び、無理な行動は控えるのが安全です。

まとめ|ポルトガルは「ヨーロッパ内でも治安が良い国のひとつ」

ポルトガルは、ヨーロッパの中でも比較的治安が良く、旅行初心者から旅慣れたバックパッカーまで、幅広い層にとって“安心して楽しめる国”として高く評価されている観光地です。

もちろん、大都市や観光地ではスリや詐欺などの軽犯罪は発生していますし、夜間の裏通りや人けのない場所では一定の注意が必要です。
しかし、基本的な防犯意識と文化的なマナーを守っていれば、大きなトラブルに巻き込まれる可能性は非常に低いと言えるでしょう。

この記事では以下のポイントを中心に解説してきました。

  • リスボンやポルトでの軽犯罪の傾向と回避策
  • ポルトガルが治安の良さを保てている社会的背景
  • 渡航制限の有無と最新の入国状況(2025年現在は一切なし)
  • ポルトガル人の国民性・文化・旅に役立つ考え方

これらを理解し、少しの注意と配慮をもって旅をすれば、ポルトガルはその魅力を余すことなく堪能できる“心地よく、美しい”旅先となってくれるはずです。

治安の良さと、温かな空気に包まれた街々。ぜひ、次の旅先としてポルトガルをリストに加えてみてください。

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この記事を書いた人

海外旅行中に起こりうる危険を未然に防ぐために、リアルな体験情報を発信する『リスクメイトブログ』を運営しています。私たちは、海外の危険情報を共有できるマップサービス「リスクメイト」を提供しており、危険度を色分けすることで、一目でリスクを把握できる仕組みを構築しました。さらに、実際にトラブルに遭遇した方々の投稿をもとに、具体的な対策や回避方法をお届けすることで、安全な旅をサポートします。「知らなかった」で済まされない海外のリスクを、できる限りわかりやすく伝え、旅行者が安心して旅を楽しめるよう、これからも情報を発信していきます。

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