色とりどりのスーク(市場)、幻想的な砂漠の夕日、歴史ある迷宮都市フェズ
そんなモロッコに魅了され、訪れたいと考える女性旅行者は少なくありません。
異国情緒とエキゾチックな景観が広がるこの国は、SNSでも映える人気スポットとして注目を集めています。ですが一方で、「女性ひとりで行くには危険?」「モロッコの治安って本当はどうなの?」と不安の声が多いのも事実です。
この記事では、2025年現在のモロッコの治安状況を最新の情報とともに整理し、特に女性旅行者が気をつけるべき点や安全に旅するためのコツを徹底解説していきます。
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モロッコの治安は悪い?女性旅行者が危険とされる理由

一見フレンドリーで陽気な雰囲気が漂うモロッコですが、女性旅行者にとっては注意すべき場面が少なくありません。
街を歩けば「ハロー」「キレイだね」といった声かけが日常的に聞こえてくる一方で、それが歓迎のサインなのか、それとも不快な干渉なのか判断が難しいこともあります。
この章では、なぜモロッコが「女性一人旅には向かない」と言われるのか、その背景と実態について掘り下げていきます。
観光客女性はスリ・強盗犯に狙われやすい
モロッコの観光都市、特にマラケシュやカサブランカ、フェズといった地域では、スリやひったくりが日常的に発生しています。人混みの多いスークでは、見慣れない服装の観光客は即座に「お金を持っているターゲット」として見なされがちです。
リュックのチャックを静かに開けて中身を盗まれる、スマホを操作中にひったくられる、カフェのテーブルから財布を持ち去られる、こうした手口は頻繁に起こっています。


また、「道案内するよ」と近づいてくる若者に後からお金を請求されるケースもありますし、親しげなふりをして肩に手を回してきた直後にポケットが空になっていた、という被害も報告されています。
女性であれば、こうした接触行為に対してさらに強く警戒する必要があり、「気さくさ」に油断せず、距離感を保つことが何より大切です。

一人旅の女性は性的ハラスメントの被害に遭いやすい

モロッコの街を歩いていると、男性からの視線や声かけに頻繁に遭遇します。もちろんすべてが悪意あるものではありませんが、一人で行動する女性は、現地男性から「特別な存在」として見られやすく、それがハラスメントの温床になることもあるのです。
典型的なケースとしては、次のようなものがあります。
- 「チャーミング」「キレイだね」としつこく言い寄られる
- 無視しても並走してきて話しかけられる
- 肩や腕にさりげなく触れてくる
- 断った途端に罵声を浴びせられる
こうした行為に対しては、笑顔を見せたり反応したりするのではなく、毅然とした態度で無視することがベストです。特に笑顔は「興味がある」と誤解される原因になるため、旅行中はあえて表情を抑えた対応を意識する方が安全と言われています。
また、現地の男性が「外国人女性は開放的」と勝手に思い込んでいる文化的背景があるため、たとえ軽い挨拶のつもりでも、予想以上に距離を縮められてしまうことも。観光地では、同性のガイドや現地の女性グループと行動を共にすることで、こうしたトラブルを回避しやすくなります。

モロッコの治安が悪化している?外務省の最新情報から分析
ニュースやSNSで「モロッコ=危険」と見かけることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
モロッコ全体の治安レベルを正しく理解するには、外務省が発信している海外安全情報が非常に参考になります。ここでは、2025年時点での最新情報と、現地で実際に起きているトラブルの傾向をもとに、治安状況を詳しく解説します。
モロッコ治安は外務省によると「危険レベル1」

外務省の発表によると、2025年現在、モロッコ全土に出されているのは「レベル1(十分注意してください)」という警告レベルです。
これは、戦闘やテロのような直接的な危険はないものの、スリ・強盗・詐欺・女性への嫌がらせといった軽犯罪が一定の頻度で発生している状態を意味します。
つまり、「命に関わるような危険ではないが、油断していると確実にトラブルに巻き込まれる」レベルだと考えてよいでしょう。特に観光客は、現地の生活様式や治安感覚とギャップがあることで、無意識にリスクの高い行動をとってしまいがちです。
経済格差や若年失業率の高さが犯罪の背景にある

モロッコは表面的には観光インフラが整っていて、治安も比較的落ち着いているように見えます。
しかしその裏には、若年層の高い失業率と格差社会という深刻な問題があります。
特に都市部では、教育を受けても職に就けない若者が多く、そうした人々が観光客に近づき「ガイド」「通訳」「道案内」などの名目で金銭を要求するケースが目立ちます。
また、一部では観光地への依存度が高いため、観光客=お金持ち、という認識が非常に強く、そのことで「ちょっとくらい取ってもいいだろう」という感覚が一部で根付いてしまっている現実も無視できません。
観光客が巻き込まれた治安トラブルの実例
写真を撮りながら散歩していると若い男性に話し掛けられる。俺のことも撮って欲しいと言われたため数枚撮影。君のことも撮ってあげるとカメラを取ろうとするので断る。すると、先程の写真を見せて欲しいと言われ、それも断ると強引にカメラを奪おうとしてくる。力づくで奪われないようにし走って逃げたため、ひったく未遂に終わったが、友好的に話し掛けてくる人には多少なりの警戒を。リスクメイトの投稿より
外務省の過去の渡航者向け注意喚起には、実際に起きた以下のようなトラブルが掲載されています。
- カフェでスマホをテーブルに置いていたら盗まれた
- 地元の若者に声をかけられ、そのまま料金トラブルに発展
- 夜間に女性が一人で歩いていたところを執拗につきまとわれた
- 安宿のスタッフがしつこくプライベートな接触を試みてきた
これらは決して「レアケース」ではなく、日常的に起こり得る現地の治安事情です。
つまり、現地の治安が「崩壊している」というわけではありませんが、日本とはまったく異なるリスク環境であることを理解しておくことが、トラブル回避の第一歩になるのです。
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治安が不安なモロッコ旅行で危険を回避するための行動術

モロッコを旅する際に最も大切なのは、「現地では日本と常識が違う」という前提で行動することです。
スリや詐欺の多さ、女性に対する視線の強さなど、日常とは異なる環境に身を置くからこそ、自分で自分を守る「行動術」を身につけておくことが非常に重要になります。
ここでは、特に女性旅行者が現地で安全に過ごすために知っておくべき行動のポイントを紹介します。
夜の一人歩きや人混みを避ける
どんなに整備された観光地であっても、夜間の一人歩きは避けるのが鉄則です。
モロッコでは、日が沈んでからの路地や市場周辺は急に人通りが減る場所もあり、犯罪や執拗なナンパ被害のリスクが一気に高まります。
また、昼間でもスーク(市場)などの極端に混雑する場所ではスリが非常に多く発生しています。
体を密着させてくるような距離感は警戒すべきサインです。
「なるべく明るいうちにホテルに戻る」「人が多すぎる場所では財布やスマホの取り扱いに注意する」といった行動を心がけることで、トラブルの確率をぐっと下げられます。

宿泊施設の選びと現地スタッフとの関わり方が重要
モロッコでは、リヤド(伝統的な宿)やゲストハウスが人気ですが、中にはセキュリティ対策が不十分だったり、スタッフとの距離が近すぎる宿も存在します。
女性一人旅の場合、以下のような点を意識して宿泊先を選ぶと安心です。
- 口コミで「女性にも安心」とされている宿かどうか
- 入口の施錠がしっかりしているか(外部から自由に出入りできない構造)
- スタッフが適切な距離感を保ってくれるか
過去には、スタッフが執拗に食事や観光への誘いを繰り返すケースもあり、親切に見えても距離感に注意が必要です。
必要以上に会話を続けたり、プライベートな話を共有したりするのは控えましょう。

荷物・スマホ・現金の管理方法でリスクを下げられる
旅行中にもっとも狙われやすいのが「油断しているときの持ち物」です。
とくに女性の場合、トートバッグやリュックサックを無防備に持って歩くことで、後ろからチャックを開けられたり、スマホごと持ち逃げされたりすることがよくあります。


安全のためには、次のような対策が有効です。
- バッグは必ず前に抱える・体に密着させる
- スマホを片手に持って歩かない(特に通話中・地図アプリ利用時)
- 現金は分散して保管する。財布ひとつにまとめない
- カフェやレストランでは、机にスマホや財布を出しっぱなしにしない
また、支払いの際に大金を見せるのも避けましょう。「この人はお金を持っている」と思わせないことが防犯対策につながります。
モロッコ旅行で女性がはどんな服装をすべき?

モロッコはイスラム教が主流の国であり、女性の服装に対する文化的な期待や目線も少なからず存在しています。
観光客に対して厳しく強要されるわけではありませんが、「目立ちすぎる服装」はトラブルのもとになるというのは多くの旅行者の共通体験です。
旅先で快適かつ安全に過ごすためには、現地の価値観を尊重した服装選びが欠かせません。
タンクトップや短パンはNG?

モロッコでは、地元の女性が肌を見せることは非常に少なく、長袖・長ズボンやスカーフをまとったスタイルが一般的です。
そのため、観光客の女性がタンクトップや短パンで歩いていると、それだけで周囲の視線を集めてしまうことがよくあります。特に注意したいのは、
- 肩・背中・膝上を露出する服
- 体のラインが強調されるピッタリとした服
- 透け素材や派手な柄・色合いのファッション
これらは「自由な女性」「誘っている」と誤解されかねない要素でもあるため、控えるのが無難です。
- 七分袖〜長袖のトップス
- リラックス感のあるワイドパンツやロングスカート
- 軽いストールやショールを持ち歩く(必要に応じて肩を隠す)
また、モスクや宗教施設を訪れる場合には、必ず肌を隠す服装を心がけるのがマナーです。施設によっては、露出があると入場を断られることもあります。
現地で浮かず、かつ動きやすい服装を選ぶことが、ストレスの少ない旅のコツでもあります。
「旅行=自由なファッションを楽しむ場」としての価値観は、日本や欧米とは異なることを前提に、「郷に入れば郷に従え」の精神を忘れないようにしましょう。
まとめ|モロッコの治安はそこまで悪くない!危険を回避して安全な旅を!
モロッコは、エキゾチックな街並み、美しい砂漠の風景、活気あるスーク(市場)、そして温かいおもてなしと、多くの魅力にあふれた国です。
ですがその一方で、女性旅行者にとっては治安や文化的ギャップに注意が必要な旅先でもあるのが現実です。
たしかに、スリやハラスメントといった軽犯罪は多発しており、特に女性が一人で行動する場合はリスクが高まります。しかし、今回ご紹介したように、
- 危険な時間帯・場所を避ける
- 服装や態度に配慮する
- 荷物や現金を自己管理する工夫をする
- 外務省の治安情報を事前にチェックする
など、「事前の知識と慎重な行動」を心がけることで、リスクは大幅に回避可能です。
モロッコの人々の多くは親切で、異文化への好奇心を持って接してくれるフレンドリーな国民性を持っています。
だからこそ、「安全」と「魅力」の両面を理解して旅に出ることが、モロッコ旅行をより豊かで忘れがたいものにしてくれるはずです。
知識と敬意を持って行動すれば、モロッコはきっとあなたを歓迎してくれる国になるでしょう。
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