フランス旅行は危険?最新の治安状況・アジア人差別・服装マナーまで徹底解説

フランス旅行の危険性についてのアイキャッチ

美術、建築、グルメ、ファッション…世界中から旅行者が集まるフランスは、まさに誰もが一度は憧れる旅先です。
なかでもパリは「花の都」として、日本人観光客にも根強い人気を誇っています。しかし近年、

  • フランス旅行って危険なの?
  • アジア人差別ってあるの?
  • 服装に気をつけないと浮くって本当?

といった不安の声が増えているのも事実です。

実際、スリや置き引きなどの軽犯罪、テロやデモによる混乱、さらには文化の違いからくる誤解や差別的な対応など、注意すべき点がいくつもあります。

この記事では、フランス旅行を安全に、そして快適に楽しむために、最新の治安情報から文化・マナー、注意点までを包括的に解説していきます。

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目次

フランスの旅行は危険?外務省データから詳しく解説

フランスは長年にわたり、日本人にとっても人気の高い観光地として知られています。

芸術、建築、グルメなど世界的な文化都市を有するこの国には毎年多くの観光客が訪れますが、同時に「フランス旅行は危険では?」という不安の声も年々増えています。

渡航禁止ではないが、外務省は一部地域に注意喚起を出している

フランスの治安(外務省)

まず確認しておきたいのは、外務省が発表しているフランスの渡航情報です。

2025年現在、フランスへの渡航は「禁止」されているわけではなく、渡航自体は自由です。ただし、外務省の「海外安全ホームページ」では、「現在、危険情報は出ておりません」となっています。

ただし、昨年は、テロ事件が過去に起きた都市や、社会不安が高まっている地域がありました。

とくにパリの一部エリアや郊外の移民地区では、治安が不安定になりやすく、夜間や人通りの少ない時間帯には不要な外出を控えるようアドバイスされています。

観光客のスリ・置き引き被害が日常化している

フランス旅行で最も多く報告されている被害が、スリや置き引きといった軽犯罪です。エッフェル塔、ルーヴル美術館、モンマルトルなどの観光名所では、旅行者を狙った犯行が日常的に発生しており、犯人グループは非常に手口が巧妙です。

  • 財布を抜き取る
  • スマートフォンをすり取る
  • カフェで席を立った隙にバッグが消える

など、その方法はさまざまで、観光地にいるという安心感が逆に油断を生む要因にもなっています。

とくに多いのが、地下鉄や主要駅、混雑したショッピングエリアでの被害です。「人混み=狙われる空間」と考え、バッグは必ず身体の前で持ち、スマートフォンを片手に歩かないなど、日常的な警戒心が求められます。

凱旋門の近くで黒い服を来た4−5人の女性がいきなり寄ってきて来て、しゃべってくる人と、バックなどを触ってきたりしてくる人に囲まれて、スリ集団だと思いバックを抱えて力づくで逃げました。 一瞬の隙で、結構な勢いで来たのでびっくりしましたが、盗まれずに済みました。何かを持ちながら話してくるので、一瞬何だろう?って話を聞きそうになりますが、スリ集団です。リスクメイトの投稿より

テロやデモによる突発的な混乱も過去に複数発生している

デモの風景

もうひとつ、フランスで気をつけるべき点として、社会的・政治的な緊張による突発的な混乱があります。
2015年にはパリで大規模な同時多発テロが発生し、その後も国内の主要都市ではテロ未遂事件や暴動が複数回報告されています。

加えて、フランスではデモやストライキが頻繁に発生する文化が根付いており、交通機関の麻痺、道路の封鎖、警官隊の出動といった事態が観光に直接影響を及ぼすケースもあります。これらの動きは予告なく起こることもあり、旅行者が現地で巻き込まれるリスクもゼロではありません。

そのため、旅行前や滞在中は現地のニュースに目を通し、群衆が集まっているエリアには近づかない、デモが予定されている地域には足を運ばないといった行動判断が必要です。

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アジア人がフランス旅行する際の注意点

フランスの風景1

フランスは多民族国家であり、観光客にも比較的寛容なイメージを持たれることが多い国ですが、実際にはアジア人観光客が現地でトラブルや違和感を感じるケースも少なくありません。

文化や外見、言葉の違いからくる誤解が原因で、思わぬ不快な経験をする可能性もあるため、アジア人であることを意識した行動・注意が必要になります。

アジア人観光客はターゲットにされやすい傾向がある

まず最初に気をつけたいのは、アジア人観光客がスリや詐欺の「ターゲット」にされやすい傾向があるという点です。

現地の犯罪グループにとって、日本人を含むアジア系の旅行者は

  • 現金を多く持っている
  • 警戒心が薄い
  • 言葉が通じず反撃されにくい

というイメージを持たれており、実際に被害報告の多くはアジア人旅行者に集中しています。

例えば、地下鉄の車内で周囲を囲まれたり、駅のエスカレーターで背後からカバンを開けられたりと、特定の手口を使った犯行が繰り返されています。

また、アジア人=観光客という認識も強いため、バッグやカメラ、スマートフォンなどが狙われやすく、見た目だけで「お金を持っている人」と判断されることも多いのです。

こうしたリスクを下げるためにも、目立つブランド品や多額の現金はなるべく持ち歩かず、荷物の管理を徹底する必要があります。

差別的な言動を受けることもある現実

フランス国内には、多様な人種・民族が共存していますが、近年では社会の分断や経済不安を背景に、差別的な言動が表面化する場面も見られます。

特にアジア人に対しては、コロナ禍以降「不衛生」「感染源」などといった根拠のない偏見が残っており、公共の場で心ない言葉を投げかけられたり、露骨に避けられたりするケースが報告されています。

もちろんすべてのフランス人が差別的なわけではありませんが、

  • レストランでの接客態度が明らかに違う
  • 店員に冷たくあしらわれる
  • 言葉でからかわれる

といった経験をした旅行者は少なくないのが現実です。

こうした場面に遭遇した場合、感情的に反応するよりも、冷静にその場を離れる、相手にしないという対応が最善です。また、最低限のフランス語で挨拶や礼儀を示すだけで、印象が大きく変わることもあるため、「自分から歩み寄る姿勢」が差別的対応を回避する鍵にもなります。

言葉の壁やマナーの違いが誤解を招くケースもある

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フランスでは英語も通じる場所は増えてきていますが、それでも「フランス語で話しかけられること」が基本の文化です。アジア人旅行者が英語や母国語で一方的に話しかけると、現地の人に不快感を与えてしまうことがあります。

また、レストランやショップで挨拶をせずに話し始めると、「礼儀がない」「横柄だ」と受け取られることもあるため注意が必要です。

加えて、公共の場での声の大きさや写真撮影の仕方、身振り手振りの大きさなど、細かな文化差が無意識に誤解を生む要因になります。日本では普通の行動でも、フランスでは「非常識」や「失礼」に見えることがあるのです。

そのため、フランス滞在中は、周囲の空気を読み、現地の人々の振る舞いを観察しながら、自分の行動を少し控えめに調整することが求められます。文化を尊重する姿勢は、旅行者としての印象を大きく左右し、トラブルの予防にもつながるでしょう。

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フランス旅行までに知っておきたい服装マナー

フランスの風景2

フランス、特にパリは「ファッションの都」と称されるように、服装への意識が非常に高い国です。旅行者が現地でトラブルを避け、快適に過ごすためには、観光や食事、宗教施設訪問など、シーンに合わせた適切な服装マナーの理解と実践が求められます。

見た目がすべてというわけではありませんが、第一印象がその後の対応や扱いに影響することも事実。「浮かない」「失礼にならない」「安全を守る」という3つの視点から、旅行前に確認しておきたい服装マナーを紹介します。

露出の多い服や派手なファッションは×

フランスではファッションに自由度がある一方で、過度な露出や派手すぎるコーディネートは「旅行者感」を強調してしまい、犯罪のターゲットにもなりやすいとされています。特に女性の場合、タンクトップにショートパンツ、露出度の高いドレスや過剰なメイクは、ナンパやセクシャルハラスメントのリスクを高めてしまう可能性があります。

また、過度にブランド品を身につけるスタイルも「お金を持っている」と判断され、スリや詐欺の標的にされやすくなります。現地の人々はシンプルで上品な装いを好む傾向が強く、控えめながらも洗練されたスタイルが好まれます。

旅行中は動きやすさも大切ですが、肩や脚の露出を控えた落ち着いた色味の服装を選ぶことで、より安心して街歩きを楽しむことができます。

宗教施設や高級レストランではドレスコードが必要

フランスの多くの教会や宗教施設では、肌の露出が多い服装では入場を断られる場合があります。たとえばノートルダム大聖堂やモンサンミッシェルの修道院では、タンクトップや短すぎるスカート、ビーチサンダルなどはNGとされています。

肩を隠す羽織ものや、ひざ下丈のボトムスを持参しておくと、急な訪問にも対応できるため安心です。また、エルメスやミシュラン星付きレストランなど、格式のあるレストランではドレスコードが設けられていることもあり、カジュアルすぎる服装では入店を断られるケースもあります。

男性ならジャケットや襟付きシャツ、女性ならワンピースや落ち着いたブラウスなどを準備しておくと、いざというときにも対応できます。

地元民に馴染むシンプルなスタイルが無難

パリジャン、パリジェンヌと呼ばれる現地の人々は、決して派手ではないのに洗練された「抜け感のあるおしゃれ」を重視しています。モノトーンやアースカラー、シンプルなシャツやジャケット、スニーカーではなく革靴やローファーを合わせるといったコーディネートが主流です。

そのため、旅行者もできるだけ「街に溶け込む意識」を持つことで、現地の人々との距離感がぐっと近づきますし、余計な視線やリスクを減らす効果もあります。また、旅行中は思わぬ場所で写真を撮る機会も多いため、清潔感があり、シワのない服装を意識しておくと見栄えも良くなります。

「おしゃれを楽しむ」という視点は、単なるマナーだけではなく、フランスという国の文化をリスペクトする姿勢にもつながるのです。

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フランスで治安がいいとされる街やエリア

「フランス旅行=パリ」というイメージを持っている方も多いと思いますが、実はパリ以外にも魅力的で治安が良好な地域は数多く存在しています。

また、パリの中にも比較的安全とされるエリアがあり、滞在先や行動範囲を工夫することで、旅行全体の安心度を大きく高めることができます。ここでは、フランス国内で「治安がいい」とされる代表的な街や地区を紹介し、それぞれの特徴や魅力にも触れていきます。

ボルドーやナントなど地方都市

ボルドー

ボルドーやナントといった地方都市は、パリほど観光客が集中しないぶん、犯罪率も比較的低く、落ち着いた雰囲気が魅力です。

ボルドーはワインの産地として知られ、石畳の旧市街やガロンヌ川沿いの街並みなど、どこを歩いても優雅で静かな空気が流れています。街自体がコンパクトで歩きやすく、治安面でも安心して散策できるエリアが多いです。

ナントもまた文化的な活気がありつつ、穏やかな市民生活が守られている都市のひとつです。イベントや展示が多いものの、大規模なデモや暴動が起きにくい土地柄で、観光にも適しています。どちらの都市も、駅や中心部を離れすぎなければ、夜でも比較的安全に行動できるでしょう。

パリ(16区や7区など)の高級住宅街

パリ16区

パリは観光地としての顔だけでなく、エリアによって治安レベルが大きく異なります。その中でも「16区(16e arrondissement)」や「7区(7e arrondissement)」は、外交官や富裕層が多く住む高級住宅街として知られており、警察の巡回も多く、非常に整った街並みが保たれています。

16区はトロカデロ広場からブローニュの森にかけての一帯で、エッフェル塔が見える景観や落ち着いたカフェ、高級ブティックが立ち並ぶ大人の街という印象があります。7区はアンヴァリッドやセーヌ川沿いなど、観光地も含みつつ、静かな住環境が広がる地域です。

これらのエリアにホテルを取ることで、夜間の治安リスクを抑えることができ、落ち着いた雰囲気の中で「生活するように旅する」感覚を楽しめるのもポイントです。

アルザス地方など歴史ある小都市

アルザス地方

フランス東部に位置するアルザス地方は、ドイツ文化との融合が感じられる独特の風景と穏やかな空気が特徴です。
ストラスブールやコルマールといった街は、美しい木組みの家々や花に彩られた運河沿いの散歩道が印象的で、治安も非常に良好です。

こうした小都市では、現地の人々も穏やかで親切な人が多く、観光客を狙った犯罪はほとんど見られません。
夜の街も静かで落ち着いており、女性の一人旅や年配の旅行者にも安心しておすすめできるエリアです。

アルザス地方のクリスマスマーケットや郷土料理など、パリとはまた違ったフランスの魅力に触れながら、安全かつ豊かな体験ができる場所といえるでしょう。

フランス文化を知って、危険を回避しよう

フランスを安全に、そして心地よく旅するには、現地の文化や価値観を理解することがとても大切です。

文化的な知識やマナーを知らずにいると、無意識のうちに現地の人々の気分を害したり、トラブルのきっかけを作ってしまうこともあります。逆に、文化への敬意を示すことができれば、現地での人間関係もスムーズになり、より深くフランスを楽しめるようになります。

「静かさ」と「礼儀」を重視する文化がある

フランス人は、意外にも「静けさ」と「節度ある態度」を大切にしています。公共交通機関やレストラン、美術館などでは、必要以上に声を張ることはマナー違反とされ、日本と同じように「周囲への配慮」が求められる場面が多くあります。

また、何気ない日常でも「礼儀」を重視する文化が根づいており、買い物時の「ボンジュール(こんにちは)」や、店を出るときの「オーボワール(さようなら)」などのあいさつを省くと、冷たい対応をされることがあります。
フレンドリーに接することよりも、「丁寧であること」「距離を守ること」の方が好まれる場面も多いため、丁寧な言葉遣いや控えめな態度が、良好な関係を築く鍵となります。

デモやストライキは市民の権利として日常化している

フランスでは、ストライキやデモは市民の権利として根付いた社会運動のひとつです。特に労働者の権利を守る目的のストライキは非常に頻繁に行われており、公共交通機関、空港、ゴミ収集、教育現場など、あらゆる分野で実施される可能性があります。

こうしたデモは、決して暴力的なものばかりではありませんが、交通機関が止まったり、駅や道路が封鎖されたりするなど、旅行者の行動にも影響を及ぼします。フランスを訪れる際は、「ストライキがあるのは珍しいことではない」という意識を持ち、現地のニュースをチェックしたり、あらかじめ代替ルートを調べておくと安心です。

また、デモが行われている現場には近づかないのが基本。好奇心で写真を撮ったり、声をかけたりすると、現地の人々の反感を買うこともあるため注意が必要です。

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接客態度が冷たい=無礼ではない

フランスのレストランやショップで、「店員さんが冷たい」と感じたことがある日本人旅行者は少なくありません。

しかしそれは、フランス文化において「必要以上に馴れ馴れしくしないこと」が礼儀とされているためであり、決して敵意や無礼によるものではないのです。

たとえば、買い物中に細かく声をかけてくる日本の店員とは違い、フランスでは「必要なときにだけ接客する」のが一般的です。逆に、声をかけられたくない客への配慮でもあります。

また、「ありがとう」や「お願いします」などの一言を丁寧に伝えると、態度が一変して親切になることも多く、お互いに礼儀を重んじるスタンスが通じ合えば、むしろ距離が縮まるのがフランス流です。

まとめ|フランス旅行を安全に楽しむために必要なこと

フランスは世界有数の観光大国であり、誰もが一度は訪れてみたいと憧れる国です。
芸術、歴史、食文化、街並み…その魅力は尽きません。
しかしその一方で、スリや置き引きといった軽犯罪、突発的なデモ、文化的な誤解やアジア人差別の可能性など、旅行者にとって注意すべき点も確かに存在します。

安全にフランスを楽しむために大切なのは、「正しい情報をもとに行動すること」と「文化を理解し、敬意を持って接すること」です。
危険なエリアや行動を避け、挨拶やマナーを大切にするだけで、現地での印象は大きく変わります。
また、服装を控えめにし、観光客らしさを抑えることで、犯罪のリスクもぐっと減らせます。

華やかで洗練されたフランスを、表面的な美しさだけでなく、文化の奥深さまで味わえる旅行にするためにも、準備と心構えを忘れずに。安心して、そして心から楽しめる旅をぜひ実現してください。

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この記事を書いた人

海外旅行中に起こりうる危険を未然に防ぐために、リアルな体験情報を発信する『リスクメイトブログ』を運営しています。私たちは、海外の危険情報を共有できるマップサービス「リスクメイト」を提供しており、危険度を色分けすることで、一目でリスクを把握できる仕組みを構築しました。さらに、実際にトラブルに遭遇した方々の投稿をもとに、具体的な対策や回避方法をお届けすることで、安全な旅をサポートします。「知らなかった」で済まされない海外のリスクを、できる限りわかりやすく伝え、旅行者が安心して旅を楽しめるよう、これからも情報を発信していきます。

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